中村葡萄酒企画

埼玉県戸田市を中心に「ワインを今よりも身近なものにする」活動をしております。

ナチュールの共通点〜オレンジワインのテイスティング

今回のテイスティングの最後はオレンジワインです。
自然派といえば!」という存在なのがオレンジワイン。
私は、長い間、イタリア料理業界におりましたので、特にそんな印象があります。
北イタリア、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリアの作り手が
アンフォラを使い、開放発酵を取り入れて、出来上がったワインに目を丸くしたのを覚えています。
ラディコン、グラブナー、ダリオ、ズィダリッヒなどなど、今では普通に受け入れられていますが、15年ぐらい前はお客様からクレームに近いコメントをもらったこともありますw
私の接客能力が未熟だったのですが・・・

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そんな私が令和の時代になってテイスティングさせていただくのは、
ジョージアの土着品種、ツィツカとツォリコウリを半々使用したワインです。
前述の「クヴェヴリ」という大きな土の壺で、房のまま、7ヶ月醸します。
赤ワインでも半月ぐらいですので、相当長い・・・その後、クヴェヴリでアルコール発酵となります。

7ヶ月醸しをした後、フリーラン(絞らない果汁)だけで発酵をしても、期間が長いので色も濃くタンニンもしっかりあります。
それでも果実感はクリアで非常に綺麗に仕上がっているので、飲みやすいと思います。
オレンジワインも多様化してきている印象がありますが、こちらは正統派。
オレンジワインのペアリングとして、エスニックやスパイシーな料理も可能ですが、
こちらに関しては、貝類や甲殻類、肉でも脂に甘みがある豚などを、ひねらず西洋の味付けで調理した方がバランス良さそうです。

同じ作り手で、様々なジャンルをテイスティングしてみましたが、感じたことは大きく2点。

①味わいとして素材そのものを表現している。
品質管理という点で、手間と時間はかけていると思うのですが、不必要な手は加えていない印象です。ジョージアは文化として、今で言うオレンジワインの製造法があったと思うのですが、他の地域がそれを持ってくるのではなく、その地域なりの自然な作り方でいいんじゃないかなぁ?と思ってしまいます。
②まだまだ良くなる余地がある。
昔と比べて、品質は確実に良くなっています。現在はジャンルとして確立されました。その上で良くなる要素はあると思います。特にペティアンとシードルが面白くなるといいなぁ・・・と思います。

私もまだまだ探り始めたばかりですので勉強をして、また取り上げたいと思っています。