中村葡萄酒企画

埼玉県戸田市を中心に「ワインを今よりも身近なものにする」活動をしております。

ナチュールの共通点〜シードルのテイスティング

続きまして、シードルのテイスティングです。

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「セカンド・フルーツ・シードル」
ジョージアのシードルと出会ったのが初めてだったので、
見つけた時は「あるんだなぁ」という印象でしたが、
よく調べてみると色々と面白い要素があるシードルなんです・・・

ビオロジックで栽培された林檎を原料として、自生酵母使用、無濾過、無清澄、SO2無添加というところで、作りも味わいもしっかりと「ナチュール」です。
ここまでは、あると思います。自然派生産者なら当然の流れです。

まず、注目する点は、4種類の林檎を使用しています。
ラニースミスがメインで50%、次に多いのは「ふじ」が25%・・・
知らなかったのですが、「ふじ」は世界の林檎生産量第一位で20%も作られているそうです。
ジョージアでも作られているんですね。素晴らしい!

次に気になったのは、「クヴェヴリ」を使っています。
二つ前の記事、「ナチュールの共通点〜はじめに」の写真にある、土でできた大きなツボです。
イタリアンが長かった私は、北イタリア、フリウリの「アンフォラ」と同じだと思っていましたが、違いがあるようです。
クヴェヴリは、内側が蜜蝋でコーティングされていてワインが染み出さないようになっています。
外側はセメントなどで強化されていて、そのまま埋めても土の重みで割れないようになっています。
埋めると、こんな感じです。

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アンフォラも土の壺なんですが、素焼きで取っ手がついています。
用途としては、「液体を輸送する」ことがメインのようです。
クヴェヴリは土に埋まっているので、温度は自然な温度で保てそうな気がします。
気になるのは衛生管理です。どうやって掃除をするのか・・・?
どうやら現地には、専門の清掃業者がいるようです!
話はそれましたが、このシードルから不衛生による要素は感じません。

テイスティングをした印象は、
無濾過、無清澄ということで若干の濁りはあります。
香りは、フローラルの香りとりんごの蜜のような香りから柔らかい印象を受けます。
味わいは、甘さは控えめで酸が綺麗ですっきりとした味わいです。
後味に林檎の皮のような渋味をほんのりと感じます。
ありきたりな表現ですが、林檎らしさを感じるシードルです。